日本ダービー優勝馬の父系変遷|戦前からサンデーサイレンス系まで【2026年】

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日本ダービーの優勝馬を父系で見ると、戦前のトウルヌソル、戦後のプリメロやヒンドスタンなどを経て、1995年以降はサンデーサイレンスとその後継種牡馬が大きな存在感を示しています。

ただし、近年のダービー馬がすべてサンデーサイレンス系というわけではありません。2015~2026年の優勝馬12頭を父系で分類すると、サンデーサイレンス系は8頭。残る4頭は、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系、ロベルト系に分かれます。

この記事では、1932年からの歴史を代表的な父系でたどり、近年12頭は全馬を同じルールで比較します。全期間の系統別勝利数ランキングではなく、「どの父系が、どの世代へつながったか」を読むための記事です。

※確認日:2026年9月4日。近年の集計は2026年日本ダービー終了時点です。

種牡馬ごとの優勝産駒数は、日本ダービー種牡馬別・産駒勝利数ランキングで紹介しています。

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父系とは?「血を持つこと」と「その系統であること」は違う

父系とは、馬から父、父の父、そのまた父へと、父親だけをさかのぼる血統のつながりです。

たとえば、2026年のダービー馬ロブチェンは、次の父系に属します。

サンデーサイレンス → ディープインパクト → ワールドプレミア → ロブチェン

ロブチェンの父はワールドプレミアで、父系をさかのぼるとディープインパクト、サンデーサイレンスへつながります。そのため、広くはサンデーサイレンス系、その中のディープインパクトの枝として扱えます。JRA「2026年 日本ダービー」JBIS「ワールドプレミア」

一方、母や母の父を通じてサンデーサイレンスの血を受け継いでいても、父系が別なら「父系はサンデーサイレンス系」とは分類しません。

本記事の集計は父系のみを対象とし、母方の血統は別に扱います。また、ディープインパクト系をサンデーサイレンス系と並列に数えることもしません。同じ馬を二重に数えないためです。

戦前から1980年代まで:さまざまな父系がダービー馬を輩出

戦前のトウルヌソルと、戦後にも続いたプリメロの系譜

1932年の第1回日本ダービーを勝ったワカタカの父は、トウルヌソルです。トウルヌソルは、戦前のダービー馬を6頭送り出しました。

一方、プリメロの産駒は、1942年のミナミホマレから1952年のクリノハナまで4頭がダービーを勝っています。netkeiba「日本ダービーの種牡馬にまつわる記録」

父をさらに1代さかのぼると、この2頭は別の血統の枝に位置します。

種牡馬その父ダービー馬の代表例
トウルヌソルGainsborough(ゲインズバラ)ワカタカ(1932年)、クリフジ(1943年)
プリメロBlandford(ブランドフォード)ミナミホマレ(1942年)、クリノハナ(1952年)

血統出典:JBIS「トウルヌソル」JBIS「プリメロ」

プリメロの息子ミナミホマレは、種牡馬としてゴールデンウエーブとダイゴホマレを送り出しました。父系を次の世代へつなぐ動きは、近年になって初めて生まれたものではありません。netkeiba「日本ダービーの種牡馬にまつわる記録」

1960~1980年代は、異なる父系を持つ名馬が登場

1964年のシンザンの父はヒンドスタンで、その父はBois Rousselです。トウルヌソルやプリメロとは異なる父系から、三冠馬が生まれました。JRA「シンザン記念の歴史」JBIS「ヒンドスタン」

1980年代にも、ダービー馬の父系は一つにまとまっていません。

ダービー馬優勝年父系をたどる代表的なつながり
ミスターシービー1983テスコボーイ → トウショウボーイ → ミスターシービー
シンボリルドルフ1984パーソロン → シンボリルドルフ
ダイナガリバー1986ノーザンダンサー → ノーザンテースト → ダイナガリバー

出典:JRA「トウショウボーイ&ミスターシービー」JRA「シンボリルドルフ」JRA「1986年 日本ダービー」JBIS「ノーザンテーストの血統表」

この表は年代ごとの最多系統を示すものではなく、異なる父系から優勝馬が出ていたことを示す代表例です。各年のダービー優勝馬は、歴代ダービー馬一覧で確認できます。

1985年のシリウスシンボリから1988年のサクラチヨノオーまでは、ノーザンダンサー系の種牡馬の産駒が4年連続で日本ダービーを制しました。1980年代後半には、複数の枝を通じてノーザンダンサーの父系が存在感を高めていたことが分かります。JBIS「第31回 やっぱりサンデー!?」

1995年以降:サンデーサイレンスの直仔から後継種牡馬へ

日本ダービーにおける大きな転換点の一つは、1995年のタヤスツヨシです。サンデーサイレンス産駒として初めて日本ダービーを勝ちました。JBIS「タヤスツヨシ」netkeiba「1995年の祭典はSS時代の幕開け」

サンデーサイレンスの直仔によるダービー制覇は6頭。その後は、ディープインパクトなどの後継種牡馬を通してダービー馬が生まれるようになります。種牡馬単体の「6勝」だけでは、この広がりまでは分かりません。netkeiba「日本ダービーの種牡馬にまつわる記録」

象徴的なのが2011年です。この年の出走馬18頭は、父または母がサンデーサイレンス産駒でした。ただし、父系がサンデーサイレンス系だったのは16頭です。「全頭がサンデーの血を持っていた」と「全頭がサンデー系だった」は、同じ意味ではありません。JBIS「第31回 やっぱりサンデー!?」

2015~2026年のダービー馬12頭を父系で分類

近年の比較では、サンデーサイレンス系、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系、ロベルト系の4区分を使います。

さらに遠い共通祖先ではまとめ直せますが、本記事ではこの区分で固定し、各優勝馬を一つだけに分類します。年のリンクは、優勝馬と父を確認したJRA公式結果です。

ダービー馬本記事での父系分類
2015ドゥラメンテキングカメハメハミスタープロスペクター系
2016マカヒキディープインパクトサンデーサイレンス系
2017レイデオロキングカメハメハミスタープロスペクター系
2018ワグネリアンディープインパクトサンデーサイレンス系
2019ロジャーバローズディープインパクトサンデーサイレンス系
2020コントレイルディープインパクトサンデーサイレンス系
2021シャフリヤールディープインパクトサンデーサイレンス系
2022ドウデュースハーツクライサンデーサイレンス系
2023タスティエーラサトノクラウンノーザンダンサー系
2024ダノンデサイルエピファネイアロベルト系
2025クロワデュノールキタサンブラックサンデーサイレンス系
2026ロブチェンワールドプレミアサンデーサイレンス系

父系分類には、キングカメハメハの血統ハーツクライの血統サトノクラウンの血統表エピファネイアの血統表キタサンブラックの血統表ワールドプレミアの血統を使用しました。

上の12頭を集計すると、次のようになります。

  • サンデーサイレンス系:8頭
  • ミスタープロスペクター系:2頭
  • ノーザンダンサー系:1頭
  • ロベルト系:1頭

サンデーサイレンス系は8頭/12頭で、優勝馬の約66.7%を占めます。これは「優勝馬に占める割合」であり、出走馬を母数にした勝率ではありません。

2018~2021年はディープ産駒が4連覇、その後は父の顔ぶれが変化

2018年から2021年までは、ワグネリアン、ロジャーバローズ、コントレイル、シャフリヤールと、ディープインパクト産駒が4年連続で勝ちました。

その後の2022~2026年は、ハーツクライ、サトノクラウン、エピファネイア、キタサンブラック、ワールドプレミアと、5年とも異なる父の産駒が優勝しています。

ただし、そのうちハーツクライ、キタサンブラック、ワールドプレミアは、父系をさかのぼればサンデーサイレンスへつながります。

同じサンデー系でも、ディープ系とブラックタイド系は別の枝

近年のサンデーサイレンス系8頭も、一つの枝だけで構成されているわけではありません。

サンデーサイレンスからの父系2015~2026年の該当ダービー馬
サンデーサイレンス → ディープインパクトマカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ、コントレイル、シャフリヤール
サンデーサイレンス → ディープインパクト → ワールドプレミアロブチェン
サンデーサイレンス → ハーツクライドウデュース
サンデーサイレンス → ブラックタイド → キタサンブラッククロワデュノール

※左列は各ダービー馬の父までの経路です。表の末尾に右列の馬が続きます。

2025年のクロワデュノールはブラックタイドの枝、2026年のロブチェンはディープインパクトの枝です。どちらもサンデーサイレンスの父系に属しますが、クロワデュノールをディープインパクト系と数えることはできません。JBIS「キタサンブラック」JBIS「ワールドプレミア」

サンデー系以外のダービー馬は、どの父系なのか

キングカメハメハを通るミスタープロスペクター系

2015年のドゥラメンテと2017年のレイデオロは、どちらもキングカメハメハ産駒です。

父系は、ミスタープロスペクター → Kingmambo → キングカメハメハ → 各ダービー馬、と続きます。JRA「キングカメハメハ」

サトノクラウンを通るノーザンダンサー系

2023年のタスティエーラは、サトノクラウン産駒です。

ノーザンダンサー → トライマイベスト → ラストタイクーン → Marju → サトノクラウン → タスティエーラ、と父系がつながります。JBIS「サトノクラウンの血統表」

1986年のダイナガリバーも広くはノーザンダンサー系ですが、そちらはノーザンテーストを通る枝です。同じ大きな系統が、別の枝から再びダービー馬を送り出した例として見ることができます。

エピファネイアを通るロベルト系

2024年のダノンデサイルは、エピファネイア産駒です。

父系は、ロベルト → Kris S. → シンボリクリスエス → エピファネイア → ダノンデサイル、と続きます。エピファネイアの母方にはスペシャルウィークを通じてサンデーサイレンスが入っていますが、父系はロベルト系です。JBIS「エピファネイアの血統表」

まとめ

日本ダービーの父系は、トウルヌソルやプリメロが目立つ時代から、さまざまな種牡馬の活躍を経て、サンデーサイレンスとその後継種牡馬が大きな割合を占める時代へと変化してきました。

2015~2026年の優勝馬12頭では、サンデーサイレンス系が8頭。ただし、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系、ロベルト系からも優勝馬が出ています。

父系の枝分かれをたどると、種牡馬別ランキングだけでは見えない、世代を越えたつながりが分かります。

各年の優勝馬・騎手・タイムは歴代ダービー馬一覧、種牡馬単体の勝利数や親子制覇は日本ダービー種牡馬別・産駒勝利数ランキングで紹介しています。

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